会社設立は人生において大きな決断です。会社を設立するに当たって現実的なデメリットも理解しておく必要があります。
① 会社設立にかかる時間と費用、会社運営にかかる費用
会社を設立するには、定款の作成・登記申請など個人事業主に比べて専門的な知識や申請書が必要となり、時間と費用がかかります。
株式会社設立の場合は、最低でも20万円程度の費用がかかり、この他にも資本金を用意する必要があります。
さらに、毎年税務申告を行う際に、たとえ会社が赤字であっても法人住民税の均等割は支払う必要があるので最低でも毎年7万円かかります(東京都の場合)。
② 社会保険への加入義務
法人化すると、社長一人でも健康保険と厚生年金保険への加入が義務づけられます。
社会保険の保険料は、国民健康保険と国民年金に加入する場合に比べて高額になります。
例えば、所得が月に40万円ある場合
個人事業主は国民健康保険料は月々約5万円、国民年金保険料は月々1万5千円となり、合計で月々の保険料は6万5千円です。
会社の場合は健康保険料は月々約3万8千円、厚生年金保険料は月々約6万4千円となり、合計で月々の保険料は約10万2千円です。
もっとも厚生年金はもらえる年金の額が国民年金に比べてかなり多いので、一概に厚生年金の方が損というわけではありません。
社会保険料は会社と本人が半分ずつ負担するため、従業員を雇う場合は社会保険料に係る会社の負担が大きくなります。
③ 事務作業量の増加
個人事業主よりも会社では厳密な会計ルールに従った会計処理が必要です。
また、社会保険や労働保険の手続きや株主総会の開催や役員変更登記など、個人事業主の場合に比べて格段に事務作業が増加します。
④ 会社のお金を自由に使えない
個人事業主の場合、事業により得たお金は自分で自由に使うことができます。
法人化すると会社の財産と個人の財産は明確に区分される為、社長でも会社のお金を自分のために使うことはできません。
例えば会社からお金を借りる場合には、金銭消費貸借契約書を会社と交し、利息を支払う必要があります。