Q.取引先から継続的に業務を受託していたところ、支払いが滞っており、未回収の売掛金の額が大きくなってきています。取引先のA社は、資金の余裕がなく1回で支払うことはできないとのことで、分割払いで売掛金を支払いたいと申し出てきました。しかし、売掛金の額から考えて、完済まで1年以上かかる計算になります。売掛金の回収を保全するため、何かいい方法はありませんか?
A.A社は、売掛金の支払債務の存在を認めているものの、単に支払期限を延期したり、分割払いにしたりするだけでは、A社が約束通り支払ってくれない場合もあり得ます。
そこで、約束通り支払ってくれない場合に備えて、売掛金の支払いに関して、強制執行認諾文言を付した公正証書を作成するのが望ましいです。
強制執行認諾文言を付した公正証書で契約しておくと、取引先が約束通り支払ってくれない場合には、裁判所の判決がなくても、比較的簡単に強制執行(例: 取引先が所有している不動産を差し押さえて競売すること等)することができます。